洋ちゃんの洋隣堂

すぐに使える類語辞典

この本の特徴は、帯に書いてある通り「ぴったりの表現がすぐに探せる」です。

物理的にコンパクトサイズですので、持ち運びが非常に楽です。

なんといっても

• 小さい
• 軽い
• 薄い

三拍子そろっています。

すぐに取り出せて便利ですので、私は鞄の中にいつも入れて持ち運んでいました。※2013年発売当時の頃

また、値段も他の辞典と比べてお手軽価格です。

新書で630円と非常に安いところも、「すぐに探せる」要因の一つですね。

言葉の説明が端的

辞典とは、言葉の意味が定義されている本のこと。

ある言葉を説明するために別の言葉を使う、という何とも矛盾した本ですね。

それだけに、私が辞書を選ぶときは、次の二つのポイントで選んでいます。

• 説明が端的であること
• 重複していないこと

説明が端的であれば、読む人によって別々の解釈をされないと思っています。

小説などの読み物は別々の解釈をして楽しむものと思っていますが、辞典で別の解釈が起きたらいけません。

余計な一言が書かれていないものが良いです。

さらに、別の言葉ですが同じ説明がされていても困ります。

そもそも微妙な言葉の違いを知りたいのですから、重複表現があっては良い辞典とは言えないと思います。

私が言うこの二つのポイントを、『ことば選び実用辞典』は抑えています。

物理的にコンパクトですので、省スペースを活用するためか、説明は非常に端的です。

そして類語辞典とうたっているだけあり、似た言葉を集めていますので、必ず別の表現で説明がされています。

【愛玩あいがん】

気に入ったものをかわいがる。

例 : 犬を愛玩する。

【愛顧あいこ】

目をかけてひいきする。

例 : ご愛顧に感謝いたします。

引用 - ことば選び実用辞典

発売から十年以上の時を経て、増版の流れへ

この『ことば選び実用辞典』は、十年前の本なので、記事にするのはどうかと考えていました。

ですが、去年の2016年頃ですかね？Twitterでちょっとしたブームになったようですね。

どうやら「創作クラスタ」という方々の間で流行ったらしく、なんと増版の流れになったらしいです。

長年の時を経て評価される本は、やはり素晴らしい本なのだと思います。

ちなみに、「創作クラスタ」とはいわゆるオリジナルキャラを作ったりそれが好きだったりする人たちのことのようです。

違ったらその人たちに怒られそうなのでこれ以上は書かないです。

新しいものを生み出すとき、それの説明をしないといけません。

微妙な表現の違いによりうまく伝わらないことが多々ありますよね。

些細なことかもしれませんが、少しでも「わかりやすい」「正しい」表現をするべきなのでしょう。

十年前はバイブルとして使ってました。今は・・・？

この『ことば選び実用辞典』は確かに素晴らしい本だと思います。

実際に私は十年前に、文章を書くためのバイブルとして常に持ち歩いていました。

本記事を書くにあたって言葉選びのために本書を読みながら記事を書いてたりと、現役で使える本です。

ただ、最近は本棚の肥やしになってしまっていますね。

最近手元に置いているバイブルは、スマートフォンです。

手のひらサイズの辞典は、辞書界隈では最高の一冊です。

しかし、ITが進歩した今では、それ以上の情報量が一つの携帯端末に集約されています。

本だけでは物理的に厳しい量の情報が、ITによって速く手軽に得られる時代になっています。

ネットを探せば、優秀な検索機能を持ったWEB辞典が無料で公開されているでしょう。

言葉の意味を定義しているものは、紙媒体というのは今の時代には合わないかもしれません。

一時の流行りが出ていますが、スマートフォンの機能性にはとても勝ち目がありません。

十年の時を経て評価されている一冊なだけあって、内容は素晴らしいです。

ただそれだけに、時代に沿った形・表現方法であれば良かったのにと思ってしまいました。

洋ちゃんのまとめ