【レビュー】類人猿分類公式マニュアル2.0 人間関係に必要な知恵はすべて類人猿に学んだ Team GATHER Project【書評】
投稿日: 2017/01/14 更新日: 2017/10/22
ビジネス・経済
書籍名 | 類人猿分類公式マニュアル2.0 人間関係に必要な知恵はすべて類人猿に学んだ |
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著者 | Team GATHER Project |
定価 | 1,600円(税抜) |
発売日 | 2015年09月11日 |
出版社 | 夜間飛行 |
サイズ | A5判 |
ISBN | 978-4-9067-9019-7 |
落ち込んでいる人に「頑張れ!」は言ってはいけない?!
私は子どもの頃から、人に注目されるとやる気が出るタイプで、
辛いときでも「頑張れ!」と言われれば頑張れていました。
ある日、仕事でなかなか成果が出ず落ち込んでいる25歳くらいの男性がいましたので、
自分がされて嬉しいことは人にしてあげるべき! と意気揚々に声をかけてあげました。
「辛いときこそ元気出さないとね。頑張れ!」と。
するとどうでしょう。彼はみるみる元気がなくなっていきました。
感謝されるだろうとばかり思っていたので、不思議でたまらなかった記憶があります。
その後数か月経って本書に出会い、人には様々なタイプがあり声かけの方法がまったく真逆の場合があることを知りました。
当時のことを後悔したのとともに、善意で人を傷つけてしまう人が減るように、本書を紹介します。
本書の章の構成は次のようになっています。
- 自分のタイプを知る
- 類人猿分類 - 簡易診断をやってみよう
- シチュエーション別行動診断
- 4つのタイプはこれだけ違う
- タイプ別「心に響く声かけ」のコツ
- 異なるタイプを受け入れる
- 類人猿分類をマスターする
- グループワークをやってみよう
- タイプの違いが見えてくるグループワーク(応用編)
- グループワークを日常の中へ
- 類人猿分類を「現場」で使う
- 4タイプの力を仕事に活かすコツ
- 類人猿分類を使いこなすための資料集
- タイプ別類人猿との付き合い方
- タイプ別「あるある」
- 類人猿分類タイプのまとめと得意な仕事、本物の類人猿の生態
人には4つのタイプがあって、自分はどのタイプかを知ろう
この手の分類法はいくつもあり、ほとんどが名前の違う似たような分類です。
本書に書かれている「類人猿分類」は、精神科医の名越 康文(なこし やすふみ)氏が監修されており、触りは少しキャッチーなものとなっています。
類人猿分類で紹介されている4つのタイプとは次のものです。
- 職人気質のこだわり屋、オランウータン
- 平和主義の安定志向、ゴリラ
- 勝ちい負け重視で社交的、チンパンジー
- 感情豊かなムードメーカー、ボノボ
私は動物にあまり詳しくないので、「ボノボって誰?」と思いました。
ボノボは、アフリカのコンゴに生息するサルの仲間だそうです。
そしてそのボノボも含め、4種類のサルの仲間により、人のタイプが分類されています。
サルに例えられると少し嫌な感じがしますが、ヒトもサルも霊長類ですしさらに類人猿は遺伝子レベルでとても近いので、生態が例えられやすくわかりやすいです。
本書ではまずこの類人猿分類を知る前に、自己診断から始まります。
シーン別に質問が設けられていますので、「○○だからこのタイプなんだ」ということがわかりやすいです。
ぜひやってみてください。
ちなみに私は「勝ちい負け重視で社交的、チンパンジー」です。
他のタイプとはどのように付き合えば良いか
私はチンパンジータイプですので、自分が一番だと思っていて、成果がすべてだと思っているタイプです。
ですので、結果より過程にこだわりすぎるオランウータンや、
直感型で論理的でないボノボや、
成功することではなく失敗しないことが大事と考えるゴリラが苦手です。
相手側も苦手と思っている気がします。
「類は友を呼ぶ」という言葉をご存知でしょうか?
類は友を呼ぶとは、気の合う者や似通った者同士は、自然に寄り集まって仲間を作るものであるということ。
引用 - 類は友を呼ぶ - 故事ことわざ辞典
私の周りにも、同じチンパンジータイプが多いみたいです。
似たタイプが多いコミュニティに長くいると、異なるタイプに出会ったとき衝突が生まれてしまいます。
時には相手を傷つけることもあるかもしれません。
冒頭で紹介した、私が傷つけた彼はおそらくボノボタイプでした。
人の気持ちを汲んでいない私の態度にショックを受けてしまったのだと今になって思います。
本書では、4つのタイプがそれぞれ他のタイプへどう接したら良いかが書かれています。
当然、同じのタイプへのことも書かれていますので、全部で16パターンが紹介されています。
さらに、他の分類法にはない、4つのタイプが成熟したとき他のタイプにもなるということが紹介されています。
確かに、私は勝ち負けにこだわるチンパンジータイプですが、エンジニアを職業としていることもあり職人としてのオランウータンタイプも持ち合わせていると思います。
そうした様々なタイプに対しての接し方が、仕事での具体例を踏まえて書かれていますので、とても参考になりました。
洋ちゃんのまとめ
コミュニケーションに悩んでいる方におすすめ。
タイプの紹介、自己診断、取扱説明書などオールインワン。
ビジネス本として、仕事の取り組み方など具体例が多い。
総合評価 | 5点 | ||
読みやすさ | 読みにくい | 5点 | 読みやすい |
実用性 | 時間がかかる | 5点 | 今すぐ使える |
お値段 | 高い | 4点 | 安い |
(0点 ~ 5点) |